Japanische Klassiker mit Furigana
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たいしょうじゅうにねんくがつついたちよりのとうきょう・よこはまかんたいしんかさいについてのきろく
大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録
宮本 百合子
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N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.429 Zeichen · 19 Bildschirme
金沢の兵、電気工夫等一杯、頭をなぐられなぐられやっとのる。自分席あり、A席なくバスケットにすわる。海軍の人の荷物を人づてに渡す。軽井沢近くまではどうか斯うが無事に来たが、沓かけ駅から一つ手前で、窓から小用をした人が、客車の下に足を見つけ、多分バク弾を持った朝鮮人がかくれて居るのだろうとさわぎ出す。前日軽井沢で汽車をテンプクさせようとした鮮人が捕ったところなので皆、さむいような、何とも云えない気がする。駅で長いこと停車し、黎明のうすあかりの中に、提灯をつけ、抜刀の消防隊がしきりに車の下をさがし、一旦もう居ないと云ったのに、あとでワーッとときの声をあげて野原の方に追って行った。居たと云う人、居なかったと云う人。不明、然し、この下でバク発するかと思い、而も逃げ場もないときの心持はまともに味った。高崎、大宮以後十二時間の延着で、田端に夜の(五日)九時すぎつく。金沢からのり合わせた男、荷もつはあり、自動車はないと云うので、自分がカイ中電燈をもって居るのをだしに、あまり智識もなさそうな男二人をさそい、荷を負わせてつれて行く。自分はAと、もう一人信州の男と、三人で、着剣の兵に守られた処々を通り林町の通りに出、門を見、自分にかけよるきよの声をきく、父上の無事を知ったら何とも云えない心持がした。