Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

た宇都宮弥三郎と出逢すと、熊谷が、弥三郎、おれはこの通り綺麗に出家を遂げて、法然上人から蓮生という名前までも貰っているのに、お前はいつまでも、侍の足が洗えないのか、かわいそうなものだな、とあざ笑うと、そこがそれ、おたがいに坂東武士の面白いところで、宇都宮がいうには、よしそんなら、おれも出家して見せるといって、すぐさま、法然上人の許へかけつけて、出家を遂げてしまったのだが、その時の言い草がいい、熊谷に負けるのは嫌だから、拙者にも熊谷と同じ名前を下さい、ぜひ、熊谷と同じ法名でなければ嫌だ……」

その時、道庵は何と思ったか、あわてて自分の口へ手を当てて、子供があわわをするように、

「様、様、様、様」

と続けざまに呼びましたから、若い劇作家連が変な顔をしました。

実は、ここに長者町一味のならず者がいなかったから幸い。いれば先生は忽ち尻尾をつかまえられてしまう。さいぜんから聞いていれば調子に乗って、渋団だの、熊谷の次郎だの、宇都宮の弥三郎だのと、名優や、坂東武士に向って、しきりに呼捨てを試みていた。苟くも人格を表明する者に向って、様づけを忘れた時は、百文ずつ罰金を納めることに自分から約束を出しておいたはず。