Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
そこで輪廓のうちへ、お絹の顔が、またボーッと浮んで来ました。
女だわい――谷中の延命院の坊主は、寺の内へ密会所を作って、身分ある婦人を多く引入れた。これは終いがまずかったが、もっと高尚な、巧妙な方法で大奥を動かして、権勢を握った坊主がいくらもある。
坊主は、比較的に身分ある婦女子にちかより易い地位にもいるし、お寺参りをするのは、芝居茶屋へ通うよりは人目がよい。
感応寺の「おみを」は十一代将軍の寵愛を蒙って多くの子を生んだ。そのおかげで感応寺は七堂伽藍を建て、大勢の奥女中を犯していた。花園殿もその坊主にだまされて、身代りに女中が自害したこともある。
神尾主膳は、そういうことの幾つもの例を手に取るように知っていたから、お絹の今の世間話が、その記憶を残らず蘇らせて来たもので、それがこの際の謀叛気をそそのかしたものです。
腹があって、融通がきいて、商売気のある坊主を見つけたいものだ。
それは、さして難事ではあるまい。清僧を求めるにこそ骨も折れようが、左様な坊主は今時ザラにある――と神尾は、ひとりうなずいてみました。
どういうつもりか、編笠をかぶって、忍びの体で、久しぶりで屋敷の中から市中へ向けて神尾が出かけたのは、その翌日のことです。