Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

いわゆる良民のうちにも、下地が好きで、意志がさのみ強くないものもあります。見ているうちに乗気になって、鋸山へ石を仕切に行く資本を投げ出すものがないとはかぎらない。くろうとの遊民どもも、実はそのわなを仕掛けて待っている。

「へ、へ、へ、丁半は采コロにかぎるて、なぐささい、じゃあるめえな」

「じょうだんいいなさんな」

「五貫ばかり売ってもらいてえ」

罷り出でたのは乗合いの中の素人にしては黒っぽく、黒人にしては人がよすぎる五十男。

「合点だ、さあ五貫……」

貸元が景気よくコマを売る。

「丁が余る、丁が余る……いかがです、旦那、負けときますぜ、やすめを一つお買いになっては……」

「へ、へ、へ」

前のよりはいっそう人のよかりそうな、純乎たる素人が、ワナを眼の前につきつけられて、まんざらでもない心持。

こうやって彼等の景気は増すばかりで、心あるものの気持は苦々しくなるばかりです。

暫くしている間に、最初にしたり面をして出た半黒人も、まんざらでもない心持の純素人も、グルグルとグループの中へ捲き込まれてしまうと、中盆が得意になって、

「運賦天賦のものですから、本職だって勝つときまったものではなし、ドコへ福がぶっつかるかわかりませんや」