Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「有難うございます」
お雪がまだ遠慮をしていると、その色気たっぷりの婆さんが、また輪の中へ戻って、
袷ナアー
ナカノリサン
袷ばかりも
ナンジャラホイ
やられもせまい
ヨイヨイヨイ
襦袢ナアー
ナカノリサン
襦袢仕立てて
ナンジャラホイ
足袋そえて
ヨイヨイヨイ
このお婆さんの頬かぶりと踊りぶりが水際立っておりました。やはりここへ湯治に来ているお客様の一人には相違ないが、いつかこのお婆さんが、一座の指揮者のようになってしまい、すべてはその指揮に従って、喜んで踊っているようです。そう思って見ると、この婆さん、身なりもお召か何かをきて、年には似合わず色気たっぷりで、そのくせ、茶屋料理屋のおかみさんとも見えず、やっぱりこういった派手好きの素人の、裕福な家の後家さんとでもいったようなものでした。
果して、この総踊りを名残に、その翌日になると、泊り客のほとんど総てが別れ別れになって、帰国の途につきました。
ひとり色気たっぷりな物持の後家さんらしいのは帰りません。その次の日になっても、帰ろうとする模様が見えません。
で、お雪と顔を合わせるごとに、愛嬌たっぷりでお世辞を言いました。