Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「すべて歌というやつは、本場で聞かなくちゃいけねえ」

両側に灯をともしはじめた古駅の情調と、行き交う人の絵のようなのと、綿々たる追分節が詩興をそそるのに、道庵先生が夢心地になりました。

「あの、お連れさんをお迎えに出しましょうか」

女からこう言われて、ハッと気がついて、

「そのこと、そのこと、急いで人を出しておくんなさい。大将、まごまごしているだろう、間違って坂本の方へでも落っこってしまわねえけりゃいいが……」

道庵がはじめて、米友のことを思い出しました。

「ね、いいかい、人相はこれこれだよ、間違えちゃいけねえ。なあに、間違えようたって、間違えられる柄じゃねえんだが、人間が少し活溌に出来てるから、気をつけて口を利いてくんなよ、腹を立たせると手におえねえ」

そこで、米友の人品を一通り説明して聞かせましたから、宿の者は心得て、米友を迎えに出かけました。

道庵が、そこで足を洗いにかかると、この宿の楼上で三味線の音がします。そこで道庵が、またも足を洗う手を休めてしまって、

「古風な三味線の音がするが、ありゃ何だい」

「説教浄瑠璃がはじまりました」

「説教浄瑠璃と来たね、今時はあんまり江戸では聞かれねえが……なるほど、苅萱か、信濃の国、親子地蔵の因縁だから、それも本場ものにはちげえねえ……」