Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

あの体では終日耽溺から救わるる術はあるまいと見えたのに。

「は、は、は、は」

仏頂寺は声高く笑い、こんなことは朝飯前だといわぬばかりに、

「修行盛りの若い時分には……」

吉原に流連していても、朝の寒稽古にはおくれたためしがない。遊女屋の温かい蒲団から、道場の凍った板の間へ、未練会釈もなく身を投げ出す融通自在を自慢面で話す。

その時、いのじヶ原の方を見廻すと、縦隊を作った真黒な一団の人が、こっちへ向いて上って来る。それを見下ろし加減に眺めつつ下る三人の者。

「おや、あれは何だろう」

馬もなければ、駕籠もない。槍も、先箱もない。ただ真黒な縦隊に、笠だけが茸の簇生したように続いている。

「なるほど」

三人が何とも判定し兼ねて行くと、先方も近づいて来る。道もほとんど平らになる。そこで見当がついてみると、何の事だ、これは旅の行商の一隊であった。笠に脚絆、甲掛、背に荷物、かいがいしい装い。しかも、それが男ではなくすべて女。数は都合二十名ほど。

やがて、こちらの三人と、その女行商人とは細い道でこんがらかる。

これは、白根山の麓あたりに住む「山の娘」の一行でありました。