Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
と高笑いをし、ようやく身をかがめて、今度は本式に足を洗いにかかる途端に、風を切って飛んで来て、うつむいて足を洗っている道庵の頭に、イヤというほどぶつかり、そのハズミで、唸りをなして横の方へけし飛んだものがありますから、道庵が仰天して、すすぎの盥の中へつッたってしまいました。
「あ痛え……」
見れば一つの提灯が、往来中から飛んで来て、道庵の頭へぶッつかって、この始末です。
三
頭の上へ降って来た提灯に、道庵は洗足の盥の中へ立ち上って驚き、驚きながら手をのばして、その提灯を拾い取って見ると、それは梅鉢の紋に、御用の二字……ははあ、加賀様御用の提灯というやつだな……
道庵は、片手で頭をおさえ、片手でその提灯を拾い上げて、盥の中に突立っていると、
「ど、ど、ど、どうしやがるでえ、待ちねえ、待ちねえ、待ちやがれやい、三ぴん」
その喧しい悪罵の声は、すぐ眼の前の往来のまんなかで起りました。
見れば、荷駄馬の手綱をそこへ抛り出した一人の馬子、相撲取と見まがうばかりの体格のやつが、諸肌ぬぎに、向う鉢巻で、髭だらけの中から悪口をほとばしらせ、
「待ちやがれ――この三ぴん」