Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
といって、七兵衛はまた一枚の小判を取って高いところから土器を抛るような手つきで、お絹の脇息の下まで送りました。
「お見せな」
それを、また拾い上げたお絹は、花札をめくるような手つきで、以前のと扇子開きに持ち添えて眺め入ると、
「色合から品格――第一、厚味が違いましょう」
「なるほど」
「時代がさがると、金銀の質までさがります」
七兵衛は抜からぬ面で、
「御通用の金銀を見ますと、その時代の御政治向きと、人気が、手に取るようにわかるから不思議じゃございませんか」
と、「三貨図彙」の著者でもいいそうなことをいう。
「まあ、篤とごらん下さい。この慶長小判の品格といい、光沢といい、細工の落着いた工合といい、見るからに威光が備わっていて、なんとなしに有難味に打たれるじゃございませんか」
自分も慶長小判の一枚を取り上げて、さも有難そうに見入ります。
「そういわれれば、そうです」
とお絹も感心したように、慶長小判の色合にみとれている。
「この小判一枚を見ても、権現様の威勢と、その御政治向きのたのもしさがわかるじゃございませんか」
「なるほどね」
「天下をお取りになるには、智仁勇ばかりではいけませんよ、やっぱりお金が無けりゃあね。