Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
こうして、遠く離れていましても、弁信さんは、絶えず、わたしの身の上を心配していて下さる。そのお心が夢にも現にも、わたしの上を離れないから、それで、わたしは、不意にあなたの面影を見たり、声を聞いたりするのじゃないかと思ってよ。
ほんとうに、弁信さん、あなたほど深く人のことを思って下さるお方はありません。それは、わたしにして下さるばかりでなく、どなたに対しても、あなたという方は、しんの底から親切気を持っておいでになる。わたしは、それを、しみじみと感心しないことはありません。
けれども、親切も度に過ぎるとおかしいことがあるのじゃない……思いやりも、あまり真剣になるとかえって、人の心を痛めるような結果になりはしないかと、わたし、よけいな心配をすることもありますのよ。
弁信さん。
わたしがこちらへ来る前に、あなたは、わたしのことを言いました。
『お雪ちゃん、あなたは、もう年頃の娘さんだとばかり思っておりますのに、そういうことをおっしゃるのだから驚いてしまいます。信濃の国の白骨のお湯とやらが、良いお湯と聞いたばかりで、その間の道中がどのくらい難渋だか、そのことを、あなたは考えておいでになりません。