Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

弁信さん――

今日の手紙はこのくらいにしておきましょう。けれども、これがあなたのお手元まで着くのはいつのことだか知れないわね。それでも、勘のいいあなたは、わたしがここで筆を運んでいることを、もう、頭の中へちゃんと感じておいでなさるかも知れないわ。

茂ちゃんを大事にして上げてください。あの子は、よく独り歩きをして、山の中へでもなんでも平気で行ってしまうから、わたし、それが案じられます。遠く出て遊ばないように、よく弁信さんの吩咐を聞いて、来年の春、わたしたちが帰るまで、おとなしくお留守居をしていて下さいって――よくいって聞かせてあげて下さい。

では、今日は、これで筆を止めて、わたしは、これから下へ参ります。下の大きな炉の傍で、これから学問が開かれるのです。池田先生が歌の講義をして下さるのに、また新しく俳諧師の先生がおいでになって、面白い話をして下さいます。それが済むとみんなして世間話、山の話、猟の話などで、炉辺はいつでも春のような賑かさです。

弁信さん。

ではお大切に。

あ、まだ申し残しました。お喜び下さい、あの先生の眼がだんだんよくなりますのよ。

厚い霞が一枚一枚取れて、頭が軽くなるようだとこの間もおっしゃいました。