Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
そうして道場めぐりをして歩けば、宿賃が浮くだけでも大したものだ」
道庵先生としては詰らないことをいったものです。道場荒しの意気組みはまあいいとしても、宿賃が浮くなんぞは甚だ吝であります。道場めぐりで、宿賃をかすろうというような、さもしい道庵ではないはずだが、言葉のはずみで、そんなことを言ってしまったものでしょう。果して米友は軽々しくそれに賛成しない。第一武芸には、上には上があるものだから、そう物好きをやるべきものではない――という米友の諫言は正当にして穏健なるものだが、そうかといって思い止まるには、道庵に自信があり過ぎる。
この自信が、匙一本で、幾千の人を、生かしたり、殺したりする自信だからたまらない。
米友も実は心配している。道庵先生、しきりに強がりをこそ言うが、武術なんぞの素養は薬にしたくも持合わせていないことは、米友がよく知っている。万一、若い時、多少やったにしたところが、この年で、今まで休んでいれば、とうてい他流試合なぞに堪えられるものではあるまい。
どういうつもりだか料簡がわからない。しかし、道庵の料簡のわからないのは今に始まったことではなく、米友には全部わからないし、また、やはり道庵は偉い先生で、そのする事、なす事が、自分らの頭では解釈し切れないのだと米友は信仰しているのだから、全然料簡のわから