Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、誰あって、米友が道しるべの下で、こんな犠牲的な辛抱をしていると気のつく者はなく、ただもう器量いっぱいに踊り騒いでいる。

そのうち、むっくりと宇治山田の米友が跳ね起きたのは、その癇癪が破裂したのではありません、当然聞くべき人の声をその中で聞いたから、いきなり飛び上って道しるべの上へ突立って見ると、この時、道庵先生が屋台の上へかじりついて、

「さあ退いた、若い衆、いよいよこの親爺に一つ踊らしてくんな、この親爺の踊りっぷりを一つ見てくんな」

若い者のすることが見ていられなくなったと見えて、道庵先生はダンジリに飛びあがって、自ら馬鹿面踊りの模範を示そうというところでありましたから、米友が、じっとしてはいられません。

道しるべの上から飛び立って、人の頭の上を走り通り、今しもダンジリに縋りついた道庵の袖を引っぱり、

「先生、いいかげんなことにしな」

と言って米友が、その手首をグングン引出した時に道庵が、

「友様か……済まねえ」

と叫びました。

済むも済まないもありはしない。一刻も捨てておいた日には危なくてたまらないから、米友は有無をいわせず道庵を引き立てて、また人の頭の上を飛んで走り戻りました。