Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

道庵自身も、その辺は御承知のことと見えて申しわけたらたら、

「曲亭馬琴様は、あれほどの作者だが、悪い病には漢文を作りたがってな。漢文さえ作らなきゃあ馬琴様もいい男だが……人は得て不得意なものほど自慢をしたがるやつで……」

といって紙に書いて見せました。

道庵の詩作に感心した有志家たちは、

「先生は武芸の方もおやりになるそうで……当地にはこれこれの道場もございますが、御案内を致しましょうか」

と来た時に、さすがの道庵がオイソレとは言わないで、苦笑いをしました。

見も知らないところで、玄関から物々しく、武者修行の案内を求めてこそ、芝居もほんものになるが、身許をすっかり知られてしまってからでは、気が抜けてしまって芝居にならない。そこで道庵もそれはいいかげんにごまかして、今日はこれからぜひ、浅間の湯へ行かなければならぬといって、なお松原の家でもぜひ、もう一晩というところを辞退して、浅間の湯へも案内しようというのを振り切って、二人はまた水入らずで松本の町を放浪しました。

こうして急に息を吹き返したところを見ると、道庵も有志家連との交際を、かなり窮屈に感じてはいたらしい。