Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで上月はつづけて、

「あの侍のいうことが必ずしも乱暴ではないよ……わしも、江戸へ出て、時々芝居を覗いたが、こういう無法な勧進帳はやらない。第一海老蔵という役者は、いま江戸には名をつぐ者がないはず。贋物に違いない」

「へえ、贋物に違いありませんか、太え奴ですね」

「あんなにするまでもなかろうが、癖になると悪いから、ちっとは懲らしめるもよかろう。名前というものは大切なものだ、それに勧進帳のような大芝居は、やはり相当の尊敬をもって扱い、宗家を立てるようにしておかないと、芝居道が乱れる。贋物は時々トッチメてやるのが芝居道の薬だ」

上月は落着いて、立とうともしないから、連れの百姓たちもその気になり、

「皆さん、前が高いよ、お坐りなさい」

この一団だけは坐ったままで、前の群集を払って、ゆっくりとこの劇外劇の余興を大詰まで見ていようとする。

その時、舞台の上なる仏頂寺弥助は、組敷かれた弁慶の兜巾に手をかけて、

「団十郎とか、海老蔵とかいう名前は、芝居の方では太政大臣だ、その人を得ざれば、その位を明けておくのが、その道の者の礼儀ではないか。形式に囚われて、偶像を拝むように拝めというわけではない、貴様のような身の程知らずが、盲目千人の世間をばかにしたつもりでいるのは、芝居道を害するのみならず、世間の礼儀と、秩序というものを紊る