Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
、お角さんは、それを気の知れないことだと思います。
今日も、その例に洩れず、お角が神宮に長いこと拝礼の時間をとっている間に、お銀様はふいと、境内の裏へそれてしまいました。
今にはじまったことではないから、お角も別段にそれを怪しまず、長いこと丹念に祈祷をこらしてから後に、鳥居側の茶屋へ寄って休んでいました。
ほどなく、お銀様は、ここを目当てに戻って来るだろうし、今日の目的地の名古屋城下は目と鼻の間だし、ふとめぐりあった米友には、宿元をよく言い置いて来たから、万一先着したからとて、万事心残りはない――と、今日はゆっくりした気持で、鳥居側の茶屋に休んでいました。
けれども、それにしても、お銀様の行動が気にならないではありません。
鳴海の宿のこともあるし、いったいあのお嬢様は、なんであんなにひとりで、出歩きをなさりたがるのだろうと、不審でたまらないものがあります。
お角さんには、お銀様の考古癖が全くわからないのです。お銀様もまた、お角さんにその説明の労を取ることを厄介がっているし、また説明しても無駄だと知って、打捨てておくのかも知れません。
「庄公、お前、お嬢様についておいでな、ここは、ほかの神様のより、ずっとお庭が広いから、迷児になるといけないよ」