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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい、実はその、これより国境を越えて信濃分になりまする白骨谷というところで、水死を遂げました」

「白骨で……」

「はい」

「一概に水死というが、あやまって水に落ちて死んだのか、得心で水に投じて死んだのか」

「それが、いずれともわかりませぬ」

「ははあ……」

今や局面の定まるところに一石を下ろした貴公子は、上の空で用人に向い、

「いずれにしても苦しうはない、今晩でもよろしい、明日でもかまわぬ、その死体をこの家へ運ぶがよい、遠慮なく。次第によってはわしが施主となって、その淫楽の女主人とやらのともらいをしてやってもよい」

「恐れ入りました」

二十一

用人としては、もはや、それ以上には押すことができません。

ぜひなく、この事を、主人たる代官に向って申し上げ、その復命を待って事を決するよりほかはないと思いました。

夜更くるまで、兵馬を相手に碁を囲んでいた貴公子は、やがて、極めて機嫌よく寝室に入りました。兵馬のためにも、すでに、この家に泊るべく、代官の方から用意が充分にしてあったのです。

しかし、その晩のうちに、淫楽の後家さんの非業の死体というのが、この家へ乗込んで来た形跡はありませんでした。