Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
か、御亭主の直右衛門殿の病気でふせっている眼の前で、浅公という若い奴ととち狂い、世間の噂では、毒を盛って直右衛門殿を殺したといわれる。それで、その浅公という若いのを連れて、温泉びたり、いい気になって湯水のように身代をつかい散らす、あれで罰が当らなければ当る人はないと、皆さんまで、みんな評判をなさったじゃないか。ところがどうです、お天道様はムダ光りはござんせんや、とうとう白骨の谷で神隠し、沼へ落ちたとか、岩にぶっ裂かれたとかいって、今日まで行方知れず、ほんとに天罰は争われないものだと、皆様もおおっぴらにおっしゃった。こっちも、やれやれ浅ましいことじゃ、せめてものこと、その浅ましい死様が曝されず、神隠しになっているがお慈悲じゃ、沼へ落ちたなら、死体がまったく底へ沈んでしまって浮き出さないように、岩にぶっ裂かれたんなら、鳥獣の餌になってしまって骨も残らないように、それだけを念じて、今日まで見つからなんだのを仕合せと思っていたら……なんという因果じゃ、今日このごろになって、業晒し、恥晒し、不浄晒しな死体が見つかったという。わしは、あっちで焼くなり、埋めるなり、よう処分して、こっそり帰って来ると思ったら、そのけがらわしい、業晒しを、正のまま、ここへ持って来て、この家で葬式をするそうな。