Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
とは、聞捨てのならないたわごと。痩せても枯れても新家の徳兵衛は、妻子を食わすだけの用意は欠かさぬぞ、貴様こそ、そんな言いがかりをして、この身代が欲しいのやろ」
「笑わせなさんな、親類寄合いの時、わしをこの家の後嗣にと、相談のきまったのを、こんなけがらわしい家はいやと、きっぱり断わったわしの舌の根を見ておくんなされ。おじさん、お前こそ、お前こそ怪しい」
「怪しいとは、何が怪しい」
「胸に聞いてごろうじろ、お前は、お前はとうからこの川杉家を覘っていた」
「聞捨てならん、こいつが、この席で、皆様の前でこうしてくれる」
徳兵衛は、よほどこたえたと見えて、いきなり、角之助の頬っぺたを、強かにつねり上げる。
「あいた、た、た」
「うぬ、こうして、こうして、その横に裂けた口をいたしめてくれよう」
「合点だ、人でなしをかばうは人でなし、おじとは思わん」
「うむ」
「こん畜生」
「獄道」
叔父と甥とが棺の前で、組んずほぐれつ、大争いを捲き起したのはほとんど束の間の出来事で、最初から、この寄合いが掴み合いになるまで手を束ねて、呆気に取られていた会衆が、ここに至るとじっとしてはおられません、一時に仲裁に向って立ち上りました。