Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
は当然あれであり、植木屋敷があの辺とすれば山吹御所はこの辺でなければならぬ、ここに大手があって、あちらに廓がある。翻って城下の形勢を観察すると、ここがやっぱり昔の往還になっていわゆる須賀口というやつは、今、田圃になっている。
酒は酒屋に
よい茶は茶屋に
女郎は清洲の須賀口に
そうだ、それから考えてみると、出雲の阿国がしゃなりしゃなりと静かに乗込んで、戦国大名に涎を流させたのはこのところだ。
須賀口から熱田の方へ行く道に「義元塚」というのがあるから、ついでがあらば弔ってやって下さいとお茶坊主が言った――義元といえば哀れなものさ、小冠者信長に名を成させたも彼が油断の故にこそ、信長が無かりさえすれば、武田よりも、上杉よりも、毛利よりも、誰よりも先に旗を都に押立てたものは彼だろう。家柄だって彼等よりずっと上だからな。そうなると信長はもとより、勝家も、秀吉も、頭を上げるこたあできねえ、人間万事、夢のようなものさ。そういえばそれ、この城から桶狭間へ向けて進発する時の、小冠者信長の当時の心境を思わなけりゃあならねえ。
人間五十年、化転の内を較ぶれば、夢幻の如くなり
ひとたび生をうけ、滅せぬもののあるべきか