Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「さあ」
「さあ、どうです――いけないでしょう。ですから、およしなさいと言ったのさ」
「だがなあ――まるっきりぐらさいというわけでもねえんだ」
「あのみずてんはいたかねえ」
「みずてんてのは、何さ」
「知らないね」
「さて」
とがんりきの百蔵は、脚絆をとってしまってから、長火鉢の前へ向き直ると、
「いっぷくおあがり」
お蘭のやつが、早くも吸附煙草をさしつけたので、百の野郎、にやにやしながら、
「有難え」
「こういったもんだろうね、飛騨の高山の宮川べりのみずてん宿で」
と言って、長火鉢の前で、がんりきのやくざ野郎に吸附煙草を吸わせて、それを傍から甘ったるく睨みつけたお蘭のあまが、百の野郎の股をつねりました。
「あ、痛え、冗談じゃねえぜ、こっちは、ちょんちょん格子をひやかしに行ったんじゃねえんだ、命がけで飛騨の高山まで大金をせしめに行ったんだ、ドコぞの色気たっぷりなお妾さんに孝行をしたいばっかりに」
「誰に孝行だかわかるものかね。そうしてなにかね、その孝行のきき目がありましたかい、みんごと三百両のお手元金を無事に取戻して来ましたかね。またあのみずてんがすんなりと渡してよこしましたかね」