Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
その時、田山白雲が見ると、柳田の目つきが尋常でないと思いました。血走っているというわけでも、殺気が迸るというわけでもないが、なんとなく一道の凄味が流れ出しました。つまりこの男は、真剣に刀を抜く気だな、ただ抜いて見せるだけでなく、居合の呼吸で抜いて見せるつもりだな、と考えざるを得ないのです。
田山白雲も、少々居合の心得が無いではない。「こいつ相当にやるな!」と思ってこの男の人相を見直すと、頭のところの月代の中に、大小いくつもの禿が隠れつ見えつしている。その禿というのは、天性、毛髪が不足しているというわけではなく、相当の期間以前に生傷であったものが癒着して、この部分だけ毛髪がなくなっているのだとしか見られないのです。これだけによって推想してみても、子供時代から、手にも足にも負えなかった持余しもので、その負傷の中には、柿の木から転び落ちて打った傷もあろうし、隣村の悪太郎からこば石をぶっつけられた合戦の名残りと見られるものもあろうし、時とすると、真剣で浅く一殴りやられたものではないかと思われるほどの三日月形のも見えるのです。
そこで、改まって茶店の前で身構えをした時には、役人をはじめ、見ている者が、なんとなく穏かでない気分に襲われました。