Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「いったい、わたしのお父様はどこにいらっしゃるのです」

と、お銀様の方から改めてたずねました。

七十八

「あなた様のお父様には、わっしゃ、美濃の関ヶ原でお初にお目にかかりました、一昨日のあけ方のことでございます」

「関ヶ原で?」

「はい――実あ、その、なんでげして、これが甲州第一の物持でいらっしゃる有野村の伊太夫様だなんていうことは、夢にも存じやせんで、お目にかかっちまったんですが、ようやく昨日の晩になって、はじめてそれと伺いまして、驚きましてな」

「そうして、今はどこにいらっしゃる」

「関ヶ原から、昨晩は大津泊りでいらっしゃいました」

「大津――」

「はい、大津の宿で、はじめてそれと伺いまして、なるほど、がんりきの目は高いと、こう味噌をあげちゃいましたようなわけなんでございましてな」

「何のために、お前さんは、わたしの父親に逢ったのですか」

「何のためにとおっしゃられると、ちと変なんでげしてな、行当りばったりに、袖摺り御縁というやつで、つい、関ヶ原の夕方お見かけ申しちまったんですが、今も申し上げる通り、これが甲州第一の物持の旦那様と知ってお見かけ申しちゃいましたわけじゃあござりませぬ、ただ行きずりに、こいつは只者でねえと睨んだこの眼力にあやまちがなく、お跡を慕ってみますてえと、果して大ものでござりましてな