Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「では、その代物のお引取りを願いましょうかな」

と、暗い中へ向って馬鹿丁寧に一つ頭を下げてから、額越しに闇の中をじっと見込んだ身のこなし。やっぱり相当なもので、真暗い中から物を言っている先方の種仕かけを、上目づかいに吟味しているものらしい。

こういう奴になると、真暗闇の中を見込んで、物を見る眼力がかなり修練されているものです。夜を商売とするこいつらの眼で見ると、室内のからくりにも相当の当りがつかなければ商売になるまい。ところが――かりにその眼力を以てしてからが、眼の届かないのは、六枚屏風が一つ眼前にわだかまっていて、応対を遮断していることでした。暗を見透す眼があっても、屏風一重を見抜く力はない――そこで少々まごついていると、屏風の中から、

「いったい、いくらで売りたいのだ」

八十一

「へい、いくらと申しましても、その――あっしらは、この方にかけてはズブの素人なんでげすから、こいつはこのくらいということは申し上げられません、おめききを願った上で、この品にはこのくらい、この野郎にはこのくらいの貫禄のところを恵んでやれ、とお見込みだけのものなんでございまして」