Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
件の血の滴りといっても、あの屏風の下から、この女王の部屋を横断して、次の間の或る程度で止まってしまっているものですから、極めて容易い掃除で済みました。
それが済むとお銀様は、ならず者が置き放して行った一件の脇差を静かに取り上げて、机の前へ端坐してながめました。まさしく自分の父の愛用の道中差に相違ない。物を盗りに来て物を置いて行った盗賊の間抜けぶりも笑止といえば笑止だが、あの図々しさは法外である。時が時、場合が場合でなければ、わたしたちはどうなったかわからない。
それに、もう一つ笑止千万なのは、今のあのならず者が、わたしの父の伊太夫が旅をしてこちらへ出て来ていること、しかも、自分と眼と鼻の間の大津に宿を取っているということまで、嘘かまことか喋って行ってしまったのが、自分のためには、わざわざ飛脚の役をつとめてくれたようなものになっている。
それにしても、父が何のために、どうして旅立ちをする気になったのだろう。そんなことを考えつつ、行燈を朧ろに薄めて、やがて夜具をかついであけ方を深き眠りに落ちて行ったようですが――次の間ではもうその以前に夢を結んでいるらしい。