Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

二宮金次郎様というような名前は、与八も、子供を教える時に、お松あたりから聞いて知っているが、鳩ヶ谷の三志様だけは、どういう人かよくわからないが、金次郎様に負けない徳行の人であると思っている。

お婆さんの物語る、そういう語りぶりを、与八が実によく神妙に受取るものですから、お婆さんもいい心持になって、語り続けました、

「中興の食行様は、江戸の巣鴨に住んで、油屋を営んでおいでになりました。富士のお山の麓には、食行様が立行というのをなさった石がございます、その石の上へ立ったままで御修行をなさいましたので、石へ足の指のあとがちゃんと凹んでついているのでございますよ。食行様は御一生の間に、富士のお山へ八十八回御登山をなさいました、そうしていつも、自分の家業は少しも怠らず、常に人に教えて『半日は家業に精出せ、半日は神様におつとめをするように』と申されました、そこで信徒たちにも『信心のあまりにも、家業を怠けるようなことがあってはならぬ』と教えて、御自分も教主の御身でありながら、油売りをおやめになりません、その油を売る時も、桝の底から周囲まで竹箆で油をこすり落して、一滴たりとも買い手の利益になるように商売をなさいますので、人々がみな尊敬いたしました。