Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「わしは、この土地の生れでねえんでございますから、何も存じません、親類身よりもこの土地にはねえんですからねえ」

「いや、お前さんの親類とは言いません、だいに様をお前さんは御存じないかね、困ったものだ、では誰ぞ、その辺の人に聞いてみましょう」

田の畔を通る村人二三人を呼び止めて、お婆さんが同じように問いかけました。

「だいに様のお墓は、どちらですね」

これに対する返答は、ほぼ与八同様のものでありました。

いずれもお婆さんがひとり合点で、だいに様、だいに様と呼びかけるのに、問われた方は怪訝な面をして、ぐっと返答にさし詰ってしまうのです。与八は他国者だから、それを知らないにしても、正銘の土地の者が、二人、三人、みんな当惑して、きょとんとした眼でお婆さんを見る。

ちょうど、四人目に田を起している老人をつかまえた時に、その人だけがやっと眉を開いて、

「ああ、だいに様、山県大弐様のお墓でごいすかい。そりゃ近いところでごいすよ、あの大きな竹藪を目あてにおいでなすって、あの藪の中にごいすよ、ちょっとわかりますめえが、崩れた塔婆があるにはありやすよ――まあ、あのでかい藪の中を探してごらんなさって」