Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
お婆さんが山岳の感激から醒めて立ち上った時に、程近い藪の中から、真白い煙が起り、そこで人声がしましたものですから、とりあえずそちらの方へ行ってみることにしながら、お婆さんは、富士の姿を振仰いでは拝み、振仰いでは拝みして行くうちに、与八は早くもその白い煙の起ったところと、人の声のしたところへ行き着いて見ると、そこには数人の人があって、ていねいにお墓の前を掃除をし、その指図しているところの、極めて人品のよろしい老人が一人立っている。
「あれが大弐様のお墓だよ」
「そうでしたかね」
「徳大寺様も来ていらっしゃる」
九十五
富士を拝み拝み、たどり着いたお婆さんは、この人品のよい老人を見ると、恭しく頭を下げ、
「これはこれは徳大寺様――」
徳大寺様と言われた極めて人品のよい老人は、頭に宗匠頭巾のようなものをいただき、身には十徳を着ていましたが、侍が一人ついて、村人らしいのを二人ばかり連れて来て、お墓の掃除をさせている。
「これは女高山のお婆さん、待兼ねておりました」
と、徳大寺様がお婆さんに気軽く応対をしました。
「途中、道よりをしておりましてね、遅くなりまして相済みません、ここがそのだいに様のお墓所でございますか」