Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「ええ」
「いつごろ、お帰りになりやすか」
「近いうちにお帰りになるでしょうが、たまのお出先のことだから、また、何か別な御用向が起るかも知れましねえ」
「与八さんが来てから、あのお屋敷へ光がさしたと、みんなが言ってますよ」
「どういたしまして」
こんな挨拶を交している間に、徳大寺様はじめ、お婆さん、お侍、みんなお墓に対して回向礼拝を終り、さてこれから、お婆さんは徳大寺様と一緒に、甲府へ行くということになりました。
与八としては、この竜王村への用事を兼ねてなのですから、ではこれでお暇をしましょう――ということになって、お婆さんは与八に厚く礼を言った上に、
「与八さん、ちょっとこちらへいらっしゃい、このお方は、徳大寺様と申し上げて、畏くも天子様の御親類に当る身分の高いお方でいらっしゃいます――お目通りをしてお置きなさい」
と言って、徳大寺様へ向いては、
「何と珍しい心がけの、人相のよい若衆ではございませんか、鳩ヶ谷の三志様にそっくりだと、わたしは見ているのでございます、お見知り置き下さいませよ」
と言って、二人を引合わせました。
九十六
かくて、徳大寺様、おつきの侍と、お婆さんとは、ここを立って甲府の方へ向けて、田圃道の間を歩み去りました。