Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
今は富士教に入って、教主の第九世をついでおいでになる。
ということを富作さんが、与八と、もう一人のお百姓にくわしく語って聞かせたところから、与八は、では、この山県大弐様もやっぱり富士講の仲間でいらっしゃるのか、とたずねると、富作さんが首を烈しく左右に振り、
「違う、全く違う――山県大弐様という人はな……」
九十七
牛久保の富作さんは言いました、
「山県大弐というのは、富士講の信者じゃねえです、あれは武田信玄公の身内で、有名な山県三郎兵衛の子孫でごいす、先祖の山県三郎兵衛は武田方で聞えた勇士だけれど、山県大弐はずっと後れて世に出たもんだから、戦争もなし、勇武で手柄を現わしたわけじゃねえのです、学問の方で大した人物でごいした、勤王方でしてね。今時、勤王といえば、上方の方の人のようにばっかり受取られるけれど、山県大弐様なんぞこそ、その勤王の魁ですよ、今の勤王なんざあ、みんな大弐公のお弟子みたようなものでごいす。誰も勤王なんかと言わねえ先から勤王を唱えてな、日本の政治は天子様のお手元へお渡し申さなくちゃいかん――という説を唱えたもんだから、関東のお役人に睨まれて、とうとう首を斬られてしまっとうだ」