Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「過ちというものは誰にもあるものだ、そう気を落さんで、もう一度、念入りに探し給え、拙者もたしかに、ここで君が役人に見せたのを見届けているのだから」
再び白雲が言うと、
「いや、過ちではないです、僕のぬかりなのです、あの時、刀を抜く方に気を取られて内懐ろに隙が出来た、それが未熟の致すところなのです。あの時に取落したんじゃない、あの時に抜き取られたのです。しかも抜き取った奴の面までちゃんと僕は覚えているんですが、今となってはどうにも行かんです」
じっと、向う岸を睨んだ眼の中には、存外、自制もあれば、分別もあることを、田山白雲は認めました。果して落したものでない、抜き取られたものであるとすれば、抜き取った奴は何者か。何のためにしたことだ。居合を見事に抜かれたその仕返しに、こちらは懐中物を抜いてやったというのは、いたずらにしても細工があり過ぎているではないか。
十二
向う岸を睨みながら、柳田平治が、なおひとり言のように言いました、
「役人の傍に変な奴が一人いたのです、今となってわかるのです。なぜわかるかと言えば、あの、僕がこれを抜こうとした瞬間に、誰の心もみんな僕に向って集中するのはあたりまえなんで、みんなの心が集中するから、こちらも精神の統一が出来て、わざがやりよいのです。