Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
ということは有り得るが、神尾のように白昼、無茶に斬りつけるということはない。「昼斬り」「町斬り」というような熟語は、まだ出来ていない。
そこで神尾は、自分の行動の全く無茶であったことを考えずにはいられなかったのですが、そうかといって、決して後悔や憐憫を感じたのではないのです。罪なき百姓を斬ってかわいそうだと思いやり、我ながら浅ましいことをしてけり、と後悔の発心をしたわけでは微塵ないのです。百姓なんぞは幾人斬ってもかまわない、このくらいのことで、済まなかったと考える神尾ではないが、ここで捕まれば一応再応は吟味を受ける、そうなると必ず自分の分が悪くなる、そこで、取押えられてはならない、この場合は一刻も早く逃げなければならない、何を措いても身を隠すことが急だ! それよりほかに手段はない。
無茶な罪跡を隠すためには、やみくもに自分の姿を隠すよりほかはない、と醒めた瞬間にそう気がついたものですから、そこで神尾は走りました。この時の走り方は、方向を選ぶの余裕がありませんでした。一時はもと来た根岸の方向へと思いましたが、また同時に、それはかえって危ないというような本能的のひらめきで、小路、裏路へ向けて走りました。