Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「あっ!」

と、またしてもこの男にも似気なく、二の足、三の足を踏んで立ちすくんだかと見るほどに、たじろいで、やっと身を支え得たかのように突立ちました。おともの者があらば周章てて、「どうあそばされました」と介抱するところでしょうが、ともはありません。そこで踏み止まった神尾主膳は、また凝然として闇の中を見ている。

主膳の眼を注いだ方向へ線を引いて見ると、そこにまた恐るべき存在がある。地蔵の姿を悪魔の姿と見た神尾の眼には、これは正銘の悪魔だ、悪魔の戯れだ。悪魔の戯れにしても、これはあまり度が強過ぎる。

人間の生首が四つ、ずらりと宙に浮いているのです。

宙に浮くと言っても、幽霊として現われたのではない。足はないけれども、台はあるのです。三尺高いところの台があって、その上に人間の生首がズラリと並んで、驚く主膳を尻目にかけたり、白眼に見たりしてあざ笑っている。

「獄門だ!」

と主膳は我知らず叫び出すと共に、今までの疑問が発止とばかり解けました。

「わかったぞ! これは小塚ッ原だ」

そうだ、ここは俗に千住の小塚ッ原、一名を骨ヶ原という――仕置にかけて人間を殺すところなのだ。