Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「意気地がないな」
「そりゃ、あなた方とは違ってよ、怖いわ、狼がいるわよ。そればかりじゃない、なんだか外には仏頂寺が待っていそうで――怖くてたまらないから、とても一人じゃお手水に行けないし、あなたはよく眠っていらっしゃるし、わたしずいぶん気を揉んじゃいました」
気を揉んだと言いながら、こうもぬけぬけとしているところを見れば、さし当りお手水の方も解決がついてしまったらしい。
百二十五
「ねえ、宇津木さん、もう何時でしょう、夜が明けるんでしょうか、夜中なんでしょうか、わたし、ちっとも見当がつきませんわ、宵の口から、真夜中のような気がしてるもんですから」
「そうだな、いやもうかれこれ、夜が明ける時分だろう」
「わたしも、もう寝つかれませんわ、起きちゃいましょうか知ら」
「いや、まだ、そうしてい給え、寒いだろう。どら、一くべ火を焚いて進ぜる」
と言って兵馬は、薪を取って火を盛んにしました。女は相変らず蒲団の中に腹這いながら、
「済まないわねえ、わたし、心からあなたにお気の毒だと思ってよ」
「そうお気の毒お気の毒いうな、君たちが心配するほど毒になりはせぬ」