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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

たもので、あの黒船の中は、またとても外から見たよりも一層大きくて、美しくて、その中にはキャビンというものがあって、室内いっぱいの大きな鏡があって、下には花のような絨氈が敷いてあって、御馳走は、朝から晩まで給仕さんが、世界中の有りとあらゆるおいしいものを、注文さえすればいつでも持って来てくれる、それから夜は、中へ入るとふわりと身体が包まって、どこへ隠れたかわからないベットというやわらかなやわらかな蒲団の上に寝かせてくれる、そうしてその大船が、千里でも二千里でも畳の上を行くように辷って行って、そうしてやがて、異国の陸に着いてからがまた大したもので、どこを見ても、御殿のようなお家ばっかり、孔雀や錦鶏鳥が、雀や鶏のようにいっぱい遊んでいるのなんの言っていながら、黒船なんぞ、どこにも見えやしないじゃないか――」

十四

娘がずけずけと不平を並べるのを、男はハイハイと頭を下げて、

「モ少シノ辛抱デス、オ嬢サン、ココデ仕度ヲシテ、ソレカラ海ヘ出ルデス、海ヘ出ルト黒船ガ待ッテイルデス」

「当てにならないね、マドロスさんの言うことは」

「当テニナルデス、今ココヲ逃ゲ出スト、人ニ見ラレルデス、人ニ見ラレルト、黒船ニ乗込ム前ニ捕マッテシマウデス、モ少シノ辛抱カンジンデス」