Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

それをも米友は、頑として受けつけないで言いました、

「蜃気楼なら、おいらも伊勢の海にいて知っているよ、あんな竜宮城とは違うんだ、そら、あの通り岩で出来て、木の生えた島が浮いている」

「では、やっぱり、竹生島でございましょうかしら、いつのまにか舟が北をめぐって、そうして竹生島の裏へ出たのかもしれません、そういうはずはありません、断じてありませんが、事実が証明する上は仕方ございません、わたくしの勘のあやまちでございましたか、或いは出舟の際の水先のあやまりでございましたか……」

「とにかくあの島へ舟を着けてみるぜ、いいかい、弁信さん」

百三十六

しかしながら、これは米友の眼の誤りでないことは勿論、弁信の勘の間違いでもなかったのです。

竹生島を南へ三里余の湖上に、竹島というのがある。一名多景島ともいう。そこへ二人は小舟を着けたのです。悲しいかな、能弁博学の弁信法師も、竹生島あることを知って、竹島あることを知りませんでした。米友に至っては、巧者ぶった弁信の鼻っぱしを少々へし折ってやった気持で、揚々として舟を沿岸の一角につけてみました。

そうして置いて、弁信を舟から助け出したのですが、その時に弁信は、もう座前へ置いた琵琶を頭高に背負いこんで、杖をつき立てていました。