Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
次は七兵衛親爺です、七兵衛親爺はいま直ぐというわけにはまいりませんが、待っていさえすれば、そのうちには帰って来ます。第三の人は、即刻只今、戻って来そうですから、それをあたいは、この檣の上でお星様の数を数えながら、歌をうたって、待っているのです。皆さんはただ、わたしが道楽でこうしているとばっかりごらんになるかも知れませんが、これで待つ身はなかなか辛いのです」
「茂ちゃん、生意気な口を利くのではありません、誰がこの夜中に、ここへ戻って来るのですか」
「マドロス君です、それから、お嬢さんの萌さんです、この二人は今晩にもここへ戻って来る――あたいの頭ではどうもそう思われてたまらないから、それで、こうして遠見の役をつとめているんです」
「そんなことがあるもんですか、この夜中に、あの人たちが……」
「ところが、どうです、お松さん、そらごらんなさいませ」
「どうしました」
「そら、バッテイラが戻って来ます、海の上を真一文字にバッテイラが、こちらへ向って来ます――バッテイラの舳先には、カンテラが点いています」
「本当ですか」
「本当ですとも――お松さん、あたいの眼を信用しなさい」