Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

よしまた、そんなものがなくとも、人間の部落を成す土地をさえ見つけ出せば、七兵衛の本職として、そこから無断で、自由に、相当のものを徴発して来るのは、袋の中のものを取り出すと同様の能力を与えられている身だが、他のものを盗まねば生きられぬという浅ましい本能よりも、盗むべき何物もない荒涼さの方がたまらない。

ついに日が暮れました。

足の七兵衛は疲れるということを知らないが、腹の七兵衛は、餓えるということを知っている。ああ、今夜もまた夜通し歩かねばならないのか。

歩くのはなんでもないが、腹がすいている。それも時によっては、二日や三日食わないで歩けといわれれば歩けないこともないが、そうして至れり尽すところが外ヶ浜ではやりきれない。つまり、行手に希望がありさえすれば、疲労も、飢餓も、頑張るだけ頑張って行く張合いというものがあるが、さて、頑張り通した揚句が外ヶ浜ではたいがいうんざりする。

さすがの七兵衛も、これにはうんざりしながら、そうかといって、足をとどめようとするなんらの引っかかりもなく、行くにつれて宵は深くなる。星は相当あるべき晩なのですが、降るというほどではないが、天が曇っている。