Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

ある人が、三町ばかり歩いているうちに三十五の行倒人を見たが、その後では数えきれないから飛び越えて歩いた。あるところでは、一つに二百五十人ずつ入れる穴を掘って、次から次と餓死人を埋めていった。一つの領内で、七万八万の餓死人を出しているのは珍しくない。旅人が家を叩いて見ると、一家みんな餓え死んで、年寄ばかりがひとり虫の息になっている。水を飲もうと井戸に行ったが、ハネ釣瓶が動かない。のぞいて見ると、井戸の中が餓死の人でいっぱいであった――

なんというすさまじい饑饉の物語をよく聞かされた。

それを思うと、この食物ですら、あだにはならない。眼をつぶってかき込んだが、食べてみるとすき腹へ相当に納まる。

七兵衛は、無断で、できるだけの御馳走にあずかってしまい、さてこれから追手のかかっている身の振り方だが、こうなってみると、無暗にあわてて走ってみるのも気が利かない。休めるうちに休めるだけ休んで置くがよい。それには――と七兵衛は、若衆が飛び出した次の間に、まだ蒲団がそのまま敷きっぱなしにされてあるのに眼をくれました。

百五十四

そこで七兵衛は、草鞋も脚絆も取ってしまって、座敷へ上り、図々しくも敷きっぱなしの蒲団の中へ、身を丸くしてもぐり込んで、また頭から一枚被ってしまいました。