Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

百八十

そうすると、土方歳三が丁と頭をうって、

「いや、どうも、古創をあばかれては困るよ」

と言いますと、お角が、

「向う創ですから大丈夫ですよ」

と答えました。

「あぶないもんだ、お手柔らかに願いたい」

この問答を見ると、土方歳三がいよいよ受身である。よっぽどこの女親方のために痛いところを押えられているように見える。

しかし、お角も心得たものですから、それ以上には立入って冗談を言いませんでした。以前のことは知らないが、今こうして一代の名士となっている以上、愛嬌の程度までの心安立てならいいが、あんまり深入りしてはいけない、一旦は驚きのあまり、打解けてみても、物の頭となっている人には、立てるだけは立ててやらなければ嘘だという世間学が、お角を急にしおらしい女にして、

「では、今日は、これから山王様へ御参詣を致しますから、これで御免蒙ります、あんまり思いがけないところでお珍しくお行会い申しましたものですから、ついつい失礼な口を利いてしまいました、取るに足らない、たしなみのない人間のことですから、御免下さいませ。では、京へ着きましたら早速お伺いさせていただきます、お大切に」