Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
これで、米友の小舟の出所がわかったのみか、その持主の諒解をも得たことになる。そこで、彼は引返そうとすると、浪人が待てと言いました。
「まあ、君、少し待ち給え、一緒に帰ろう」
一緒に帰ろうにも帰るまいにも、おいらもこの人の帰り先がわからねえが、この人もおいらの行く先を知っちゃあいまい。変なことだと思ったが、それでも米友は、そう言われると無下に振切るわけにもゆかない。
おもむろに釣道具を片づけている浪人の左右を見ると、蓆の上に何か黄表紙が四五冊、散乱している。
百八十五
「君は、あの、なんだろう、このごろ、胆吹山の上平館へ出来た組合の中にいる一人だろう」
と浪人から問いかけられて、米友が、少し眼をむいて、
「そうだ、それを、お前はどうして知っている」
「それはわかる」
「どうして、わかる」
「そりゃわかるよ、言語挙動で、この土地に居ついている人か、新来の人か、誰だってわかる」
「ふむ――」
ここにもまた勘のいい奴が一人いる!
この浪人とは、数日前、ここの岸で釣をしているところを、偶然立ち話をしたばっかりなのに、自分がいま胆吹王国にいることを先刻承知でいるらしい。