Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.484 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

名役人というものは上も下もありはしない、理が聞えれば、誰の言葉も聞いてやるが、なかなかその名役人というものはないものでな――だから、天降りとか、搦手とかいうやつが、いつの世でも相当効目があるものなのだ。どうだい、お角さん、そんな意味で何か上の方からこう、運動するような手筋はないかね。わしも一応は、心当りをこれから思案しようと思っているが、何をいうにも旅の身でねえ」

伊太夫からそう言われて、お角としても、いよいよなるほどと思わせられないわけにはゆかないで、

「御尤もでございますね……」

と言ってみたが、そのほかには急になんらの思案も浮ばないから、二の句もつげない。なるほど、この大旦那が、甲州一円の土地であるならば、ずいぶん面も利き、圧もお利きなさろうけれど、この大旦那でさえ、旅の身ではねえと喞ち言をおっしゃる――まして、女興行師風情のわたしで、どうなるものか、それを考え出すと、腐ってしまわざるを得ない。

お角さんが、やきもきしながら返答ができないでいる、その心持を伊太夫は充分察することができるから、お角さんから強いて返答を催促するのでなく、自分のこととして自問自答を試みて、