Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
身を以て泣く女の力、駒井はその力が、雷電の如く火花を散らす強さを知りました。
三十
この時以来、二人の身心に大革命が行われたということを、誰も知ったものはありません。
聡明にして叡智なるこの二人は、その秘密を誰にも知らせようとはせず、また知らせてはならないことだと感じました。
二人の間が、今までと変って、二つのものでなく、完全に溶け合ってしまって、しかも、その情熱は白熱の情熱で、土をも、金をも、あらゆるものを溶かし尽す盛大なる力を、秘密の中に生かし置く二人の人間としての慎みが、また強大なりと言えるかも知れません。
それが、二人を偽善に導かず、壮快なる活動力となり、人に疑惑を持たせずして、信頼を加えるように嶋の人からもてなされていることは、今日が昨日に優ろうとも劣ることはありません。
それだのに、二人は、この秘密の知らるることを怖れました。相戒めて、よそよそしく振舞わなければならないことを申し合わせたのは、それは、こういう疑惑が人心を迷わすことのいかに大きいかを、二人ともに、経験の上からよく心得ているのです。
人心を得るも、失うも、その機微に存することを、飽くまで味わって来た駒井甚三郎、世間の苦労をしつくして、人心の反覆を知り過ぎるほど知っているお松は、二人の評判が、この僅かな同志の間に