Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
鈴木安芸守の砕けた応対、ちっとも我を侮らぬ扱いがいよいよ頼もしい。それというのは、この人も幕府の一人には相違ないが、城下にいること少なくて、山に住むことが多いものだから、世間のことにうとく、従って、昔の神尾あるを知って、その後の神尾を知らない。さしも持崩して千瘡万穴の、この神尾の醜骸を、まだ取りどころのあるものとして、手を触れてみてくれるだけでも頼もしいと、神尾が一応、不覚の涙を催したというのも無理はないでしょう。
三十五
その夜、再び鈴木安芸守をたずねると、鈴木は、客間に杯盤を設けて、打ちくつろいで神尾を迎えたが、その座上に連なる二三子というのも、意外に皆、打砕けた気風で、御家人もあるが、いささか伝法な肌合いもあるが、幸いに神尾を見知っている者は無く、鈴木もまた、神尾の何者であるかを説明せずして、同じく待遇したものですから、場所がらと役目に似合わず、打解けた会合ぶりでありました。
その座上も、かなり和やかで、主客の間に、ずいぶん忌憚のない時代評も行われましたが、大局の帰するところは同じようなもので、どのみち、徳川家の末路の傾いて来たのは、時の勢いでぜひがない。