Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
と言いながら、小さなギヤマンについだブランと称する黄金水をとって、お絹がグッと呷ってしまいました。そうして、仰山に眉根を寄せて、火の玉でも呑み込んだ思い入れで、胸を揉む形が可愛らしいお婆さんだと言って、神尾をよろこばせました。
そうして、精進にはじまって精進に終った神尾が、その夜は無事に閨に入りました。
三十八
寝についたが、妙にかんが高ぶる。今晩の鈴木邸の会談が骨となって、それにさまざまの想像の肉が附こうというものです。
それでも暁方になると神経が鎮まって、それから熟睡に落ちて、朝日の三竿に上る頃にやっと眼をさましました。こんなことは、いつもの習いですが、昨晩の昂奮は内容が日頃と違ったまでのことです。
不承不承に起き上って見ると、お絹が台所で何かと小まめに働いているらしい。こんなことも珍しいもので、起きて見ると、おめかしの最中であってみたり、どうかすると置いてけぼりを食って、一日を焦らされてしまうこともおきまりのようなのに、今日はお台所で甲斐甲斐しく立働いている物音が、なんだかくすぐったいような気持がさせられて、それでも、一軒の家で主婦がまめまめしく台所で働く物音は、悪い感じは与えないものだと思いました。