Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

と調子が変ったものですから、お絹も人物論よりは乗り気になり、

「甘い口なら、いつでも乗りましょう、おっしゃってごらんあそばせ、あなたが甘いとお思いになっても、わたしには辛いかも知れません」

「話は至極甘いのだ、いわば葱に鴨という調子に出て来ているのだが、さて、それに乗るということになると、相当の決心が要るよ」

「まあ、おっしゃってみてごらんあそばせ」

「実はな、ひとつ、京都へ行く気にならないか、お前が行く気なら、おれも行くよ」

「京都へ?」

「うむ、上方だ、今は江戸の舞台が、あっちへ移っているのだから景気は素敵だ、それに江戸と違って、千年の都だからなあ、見るもの聞くもの花の都だ」

「上方見物――ようござんすねえ、お恥かしながら、わたし、この年になって、まだ京都を存じません」

「そうだったかなあ、親爺の代に行って置けばよかった、惜しいことをしたねえ」

「行くつもりなら、いつでも行けると思って安心しているうちに――年をとってしまいましたのよ」

「いや、これから一花と言いたいところだろう、どうだい、思いきって、花の都住居をしてみる気はないか」

「ないどころじゃありません、大有り名古屋のもっと先なんでしょう。