Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、あなたは、これからドチラへお帰りになりますの」

「左様、関の清水か――山科谷へ」

「そこへお帰りにならねばならぬ義理がおありなのですか」

「義理で帰るというわけではないのです、その辺へ落着くより仕方がないじゃありませんか、いまさら壬生へは行けないし、そうかといって十津川入りもできまいから」

「帰らなければならない義理がおありにならないならば、そうして、ドコにおいでになっても、お宅で皆様が御心配にならない限り、ここにおいでになってはいかがでございますか」

「それはまことに御念の入った御親切です、拙者のような浮浪人に、いつまでもここにおれとおっしゃるのですか」

「あなたの方でおさしつかえのない限り」

「夢ではないでしょうかなあ、こんな静かなところに、しばしなりとも、このうらぶれの身を休ませていただき得れば、夢にもまさる幸福なんですが、それで、あなたは後悔をなさるようなことはございませんか」

「懺悔をしきった者には、後悔はないはずでございます、どうかお心置なく」

「はてな」

「何を考えていらっしゃいます、あなたは、夜具が一組しかないところへ居候に来ては気の毒だと、そんなことを考えていらっしゃるのでしょう、それは御心配御無用よ――ちゃあんと融通の道はありますから」