Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
これは東叡山の配下で、寒い朝でも赤裸で、とうとうと言って人の門に立って銭貰いをするのだが、無芸と無頼とを以て聞えている。どうかすると謎々のようなものを持って来るのもある。一文人形を並べて、これはこれでも王子の稲荷の大明神、色は白くも黒助稲荷なぞと出鱈目を言って、一文人形を二三十も並べて、いちいち名前をくっつけて銭貰いをすることなんぞは、芸ある方のうちだが、この願人坊主は、能弁にチョボクレを唱えているところを見ると、願人坊主としては知能のある方だと思って、暫く耳を傾けていたが、その文句に何ぞ思い当ることがあると覚しく、一くさり終ると、渡り仲間を使にやって、そのチョボクレの願人坊主を附近の縄のれんに招き寄せました。
神尾主膳は、件の願人坊主を縄のれんへ連れ込んで、これに一杯飲ませ、
「さて、只今、その方が姫稲荷で唄ったチョボクレを、もう一遍ここで唄ってくれ、いくら長くてもかまわん、初端から終りまで唄って聞かせてくれ」
「お耳ざわりで恐れ入りました、どうか悪しからず御勘弁なすっていただきてえもんでござんす」
「勘弁はあるまい、その方も商売で唄っているのだろう、それが商売で、つまり食うと食わぬの境だから、それで唄っているのだろう」