Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
「花尻の森へ行きましょうよ、忍踊りを見に行きましょうよ」
「何ですか、そこは……花尻の森というのは」
「源太夫の屋敷あとなのです」
「その源太夫と申しますのは?」
「松田源太夫のことでございますよ」
「松田源太夫――あんまり聞いたことのない名じゃ」
「源頼朝公から、建礼門院様お目附のために差しつかわされた鎌倉の御家人の名でございます、それがあの森に屋敷を構えていて、建礼門院様のお目附をしていました」
「それは古い昔のことだなあ、そこに今晩お祭りがあるのですか」
「森の中に竜王明神の祠がございましてね、今晩はそこで忍踊りがございます」
「なるほど、唄が聞えますな」
「さあ、しばらく、そのままで、あの唄を聞いていらっしゃい」
「節は聞えるが、詞はわかりません」
「森へ着くまでの間に、唄のおさらいをして上げますから、お聞き下さい、あちらの調子に合わせて、わたくしが唄って上げますから」
森の中で起る節を伴奏にして、水々しい尼さんは、こちらの耳にもはっきりわかるように、忍踊りの歌詞を唄い出しました。
わが恋は、小倉の里のひる霞
つもりつもりて、はれやらぬ
忍踊りを一踊り
われが身は、君を思うて浮かるるも