Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
「御免下さりませ」
「どなたですか」
「はい、わたくしは、東国安房の清澄山から出て参りました、弁信と申す小坊主でございます」
博士と、秀才と、二人の談論酣わにして倦むことを知らないこの場へ、さしもの広長舌のお喋り坊主が一枚加わったのでは、その舌端を迸る滝津瀬の奔流が、律呂の相場を狂わすに相違あるまいと、知る人は色を変えるだろうが、幸いに内なる二人は、弁信の何者であるかをまだ知りませんでした。
七十二
魚山の来迎院に、声明の博士と、季麿秀才とを驚かした弁信法師は、座に招ぜられると、案外に慎しみ深く、簡単に来意を述べました。
ごらんの通りの盲目の身、東夷東条の安房の国、清澄の山を出でてより幾年月、世を渡るたつきとしては一面の琵琶、覚束ない音締に今日まで通して来たが、琵琶は最後の思い出に竹生島の明神へ奉納し、わが身は山科の光仙林にしばらく杖をとどめていたが、山科よりは程遠からぬところ、ここは大日本の魚山として聞えたる大原の来迎院こそは声明の根本道場と聞くからに、ここで修行をさせていただきたい、奥義というもおこがましいが、見えぬ世界を見んとする不具者の欣求心に御憐憫を下されたい、入門の儀、ひたすらに御紹介を頼み入ると、これは例のほしいままなる広長舌を弄することなく、極めて簡単明瞭に来意の要領を、まず